My Life
甲田益也子

「今夜もはめをはずすか」

 いつもほとんど家の中にいる。新聞、雑誌、テレビもあまりみない。外界からの情報源は、やってくる人と近所の様子、電話、たまに見る移動の際の乗り物の内外。そしてその移動先もかなり限られている。
家のまわりが妙に静かな時、地球が終わっていてもわからないかもと、ふと思ったりする。久しぶりに地下鉄に乗っているのはわかるが、こころは浮いている感じ。一人だけ。
「毎日通うところがある人は、たぶん会社や組織の中で社会の一員という現実感を持っているのね。きっと。」と思って疎外感を味わった。でも次の瞬間、「いやそんなことはない。今、一人でいる人は誰もが私と同じように感じていてもおかしくない。」と思い改めた。外から見るのと実際は違う。当然だけど。他人ってちゃんと問題なく過ごしているように見える。私ってついつい「一人だけそう」なんて思いがち。

 それはそれとして、私が現在非常にドメスティックなのに間違いはない。夜、だいたい12時、1時くらい。子供を寝かせてやっと一息つく時間。実はこの時、疲れはピークで一緒に寝たいところなのだが、家事の残りとお風呂がある(仕事がない場合)。そのエネルギーを呼び起こすために、つまり復活するのに何か必要になってくる。それがたとえば、カフェ・オ・レとシュークリームだったりするわけだ。夜中にまさかというものを食べる私。私のなかでは、今夜もはめをはずすかということになる。 この程度のはずしかたが最近。
めちゃめちゃテンション低いでしょ。申し訳ない。刺激的な話じゃなくて。