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サブ1000ドルPCは強いリテールには追い風に

 97年夏以降米国PCリテールでは、いわゆるサブ1000ドル、サブ800ドルPCという超安値のPC旋風が巻き起こった。しかし意外にも、この安値を逆手にとってリテール経営を安定化させている経営者が多いのだ。米国では97年10月頃に、サブ1000ドルPCの店頭シェアが40%を越えたところもある。97年末には、Micro Centerのモニタなしで499ドルPCも出現し、98年春以降米国ではサブ1000ドルに代わって、サブ500ドルの嵐が吹き荒れる様相が強まっている。米国調査会社PCデータは、米国市場で97年1-9月期にサブ1000ドルの売り上げ高は前年同期比5倍になったのに対し、2000ドル以上のモデルは54%も減少したと報告した。サブ1000ドルの出現はPCリテールの経営スキルの選別をもたらしたのだ。97年には96年の売り上げ高を上回り、しかも粗利益額を上昇させているリテールも多いからだ。しかし、「安値PCが大量に出回ったため、売上高も極端に落ち込み、赤字経営になった」と発言するリテールオーナーも多い。彼らはPCウォアーの敗残兵だと市場関係者はいう。多くの有力リテールはサブ1000ドル時代を、売上高を伸ばすチャンス到来と挑戦する姿勢を強めている。多くの有力リテールは、超低価格PCによって、カストマーベースを増大し、リテールの業容を拡大できるチャンスと捉えているのだ。


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