シリコンバレーウォッチ

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 しかし米国のPC市場は、有力メーカ製でも、企業向けでサブ900/800ドル時代となった。こうなると少量の自社組み立てでの、粗利益的なウマ味はなくなる。そこに目を付けたのが、米国の巨大ディストリビュータ達である。これまで有力メーカーのチャネルアッセンブリーを行うため準備した要員、ノウハウ、アッセンブリーセンターを使って、自社製PCの組み立ても始めるのだ。これらディストリビュータの組み立てるPCは、ディストリビュータブランドではユーザーに出荷されない。

 ディストリビュータから仕入れるSI、VAR、PCリテールのブランドでユーザーに届けられる。イングラムはテキサス州に5万F弱のアッセンブリーセンターを持っている。ここでは有力メーカーのチャネルアッセンブリを手掛けると同時に、自社製PCも生産する。米国にはこれまでノンブランドPCを組み立てる数万社のアッセンブリメーカーが存在している。サブ1000ドルの先兵であるモノレールのPCはアラバマ州の独立系アッセンブリメーカーSCIシステムズが組み立てている。イングラムなどの巨大ディストリビュータは、SIや独立系アッセンブリメーカーの組み立てPC市場を奪うことを狙っている。米国調査会社CMPメディアチャネルインフォメーションサービスによると、97年に北米で640万台という膨大な数のPCがSIやVARによって組み立てられているからだ。


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