荒神輿


巡行時は「チョーサンヤ」(朝廷へ参ずるという意)の掛け声と共に町内を巡回し、 喧嘩時は、「キーワエンカ」(こっちへきてみろと言う方言)と団車を挑発します。 合戦場所からは荒神輿が勝った時点で先に逃げ、 次の合戦場所まで巡行します。
 伊万里トンテントン祭りも「けんか祭り」の一つで、はじめはおごそかに 神幸する白神輿・赤神輿巡回の後、そろいの法被にねじりはちまき 姿の血気盛んな若者たちによって荒神輿と団車が担ぎ 出され、「トンテントン」と打ち鳴らされる太鼓を合図に、双方激突し組み合い 両者共川に堕落し、先に陸に担ぎ上げた方が勝ちというとなり、荒神輿が 勝てば豊作、団車が勝てば大漁という翌年の吉凶を占うものともいわれています。
団 車
「アラヨーイトナ」(と掛け声をかけながら町内を巡行、 喧嘩時は、荒神輿の挑発後「カーマエロ」と共に合戦 が始まります。
5段重ねの布団は、陰陽五行説の意で 青→空・黄→風・白→水・黒→土を意味しています。
太鼓
トンテントン祭りの名は、団車の中で打ち鳴らす太鼓の音がトン・テン・トン と聞こえることから付けられたといわれています。荒神輿・団車の巡行や合戦は、 打ち鳴らす太鼓の音に合わせて行われています。
巡行時に4種類
打立太鼓ゆっくり高く三つ打ち伊萬里神社出発の際、出番町の長老又は、最高責任者が打つ最初の太鼓。
道行太鼓ゆっくり三つ打ち次の合戦場所へと町内をねり廻る際に、子供に打たせる太鼓。
納め太鼓連続の早打ち地面におろす際、打つ太鼓。
寄せ太鼓人が集まるまで打つ休憩場やお旅所で、出番町の人々を集合させる太鼓。
喧嘩時に5種類
仕掛太鼓三つの早打ち荒神輿からの挑発後、双方の担ぎ棒が組み合うまで打つ。
せり太鼓三つの連続打ち喧嘩時、荒神輿・団車が地面に落ちるまで打つ太鼓。
乱れ打ち三・三・七拍子打ち組み合ったままの状態が長くなった場合に打つ。
引き太鼓ゆっくり三つ打ち合戦をやめ、双方の位置に戻す際打つ太鼓。
追い太鼓三つの早打ち荒神輿が勝って合戦場より引き上げる際、団車がもう一度合戦を挑む時に打つ太鼓。