お祭りライブラリー
『日本の心』


JCCホーム

吉野の桜にまつわるお話し



   紀伊半島、大峰山系の北へ延びた約8キロの尾根の
   吉野山は、なんと約6万本もの桜で埋っていると
   いわれています。

   これははるか1200年以上も昔、役の行者が吉野山に
   ほど近い金峯上で感得された金剛蔵王権現(釈迦、観音、彌勒の
   化身の3体)を桜の木で刻み、現在のの御本尊とされたことに
   始まります。

   以来吉野山は金峯寺蔵王堂の参詣者の心に安らぎを与える
   信仰の町となり、蔵王堂の門前町として栄えました。
   そのため桜に対する関心が非常に深く、昔は「一枝を伐る者は
   一指を切る」というきびしい掟があったといわれ、桜を伐ることは
   タブーとされていました。

   これに加えて、江戸時代ごろから蔵王堂へ参詣する人たちが、
   権現様への供養に桜を献木するようになり、次第に桜が
   増えてゆき、現在に日本一の桜の名所といわれるように
   なったのです。

   今回ご紹介した花供会式も、吉野山の桜を蔵王堂の御本尊に
   奉納する儀式であり、現在の形はやはり江戸時代にできたと
   いわれています。




前のページへもどる