中国の政治改革
孔健

 中国は改革開放によって、市場経済を導入し大きな経済発展を遂げつつある。
 しかし、まだ課題が多いことも衆知のこととなっている。その最大のものが政治改革だろう。中国通とする人たちは、必ず国有企業の問題、沿岸地区と内陸の経済格差をあげる。
 このこともたしかに現在の中国においては極めて重要の課題だ。ただ質的には経済問題であり、急速に発展すれば何らかの形でゆがみは出てくるものだ。これは早期に解決を目ざしとと大胆にやらねばならないが、解決できないというものではない。もちろんすっきりと全てがうまくゆくケースなどはどう考えてあり得ない。改革に改革を重ねてゆくしかないと思う。

 私がここでとりあげたいのは経済における問題ではなく政治における問題である。
 政治の柱はいわゆる共産党の一党独裁体制となっている、広い中国では、この体制はいまだやはり唯一有効なものであることはまちがいないところだと思う。
 しかし、それがいつまでもこのままでいいかどうかといえば 、やはり政治改革をすることで弾力性のある体制にしてゆくべきだろう。そんななかで、最近、ある中国の学者が全人代(日本の国会)と司法の独立を論文として公表した。これが今、中国で関心を集めている。もちろん、この論文を党中央が、ただちに実行に移すという情況にはない。
 しかし、この論文に対し党中央はなんの反論、批判もなかった。

このことこそが、私には重要におもえる。千里の道も一歩から、という日本のことわざがある。この先進的論文が中国において、その存在を批判されることなく(問題についてはともかく)、ひとつの提言として認められたというところに政治改革の目があように思える。



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