香港の不動産フィーバー


小松和夫



 香港九龍サイドの黄埔花園(WHAMPOA GARDEN)の隣に、現在、海逸豪園と言うマンションが建設中であります。九龍湾からビクトリアハーバーまでをも臨む一等地であります。この3月から販売が開始された為、私も物見高くショールームに行って参りました。驚いたことに、価格は、HK$8.000/sfが最低でした。

もちろん、階高や海が臨めるかどうかによっても異なってきますが、1.000 sf(109平方メートル : 3LKタイプ)当たりで、おおよそ1億3千万円(日本円換算)にもなります。もはや、普通の香港人がまともに購入することは不可能であり、大陸(中国)のお金持ち当たりが、やはり投機目的に香港とのパイプを利用して購入する場合が多いのではないかと思われます。もちろん、普通の香港人でない人(やはり投機目的の人)も多いので一概には言えないのですが、そこで、香港政府は、この4月に不動産投機抑制策を出しました。

すなわち、「購入者は、購入の上、入居してからも13ヶ月間は転売することが出来ない」と言うものです。抽選の上、購入資格を得た人は、最初に80万HK$程を支払い、次に欲しい人(本当に欲しいと考えている人)にプレミアムを付けて権利を売る訳です。そして、本当に欲しい人も、自分で住むのでなく、香港に海外転勤で来ている外国人に貸す(例えば、4万又は5万HK$以上)ことを商売とする訳です。

政府の抑制策は、このルートを断ち切るのに多少は有効だったようです。13ヶ月も保持していると諸々の 支出義務を負うことになるからでしょうし、また、法を侵せば重い罰金が掛かるからです。 この為、現在将軍澳で売り出し中のマンションでは、1、2倍と低調な応募になったと聞いています。今では、香港は、我々外国人にとって大変住難い所になりました。