『日本の岐路』

今、新しいエネルギーが
強烈な力をもって勃興しようとしている







中西真彦

 私は政府の行政改革委員会規制緩和小委員会の参与として職業紹介の自由化の実現に力を注ぎ、何とかそれを実現できた。  この委員会を通して表面で はまだそう大きな動きは確認できないが、地下では規制緩和のマグマは激しいエネルギーで動き出していることを実感している。  日本人は賢明であることを確信し、私自身もこの大きなエネルギーを表面化できるよう精一杯がんばってみようと思っている。

 今、我が国は国家の運営方針を180度変換せざるを得ない岐路にさしかかっている。第二次大戦後、日本は”広くあまねく平等”という哲学にたち、世界に冠たる福祉国家として一億総中流階級国家として形成されてきた。そうした輝しき成果を経てきたわけだが、しかしその弊害もでてきた。


 福祉国家という平等社会はやはり官の肥大化と非効率という問題もはらんでいる。純公務員(外郭団体は入っていない)全体で440万人という膨大な人数と経費は国民の大きな負担になっている。たとえて言えばシビリアンコントロールが効かなくなってしまった旧軍部のようなものである。 

 また、もう一つの問題は平等社会を追求するあまり市場経済が効かなくなってしまったということである。私は国家の歩みでも人の歩みでも左足ばかりではバランスが悪く、左足を前に出せば次は右足を前にだすという至極当然の振る舞いが大切だと思う。すなわち社会の平等化が進めば次は自由競争時代がやってきてやがては又平等化の時代がやってくる。このように陰陽が交互に来るような社会発展が我々の日本にとってバランスのよい永続性のある未来創造につながってゆくのではないだろうか。

 私たちが直面している”超高齢化”社会を迎えて、このままの状態で進むと国家運営にかかる国民負担率があっという間に50%を越える可能性が強い。国民が特に若者が日本からの逃避を考え出すとすれば、その国家の衰退はもはや確実のものとなる。このままでは産業経済がますます厳しくなるのは誰の目にもはっきりしているわけだから、政府はなんとしてもスリム化し、相当効率のいい国家運営をめざさなければならない。次回以降こうした諸問題を私の視点から掘り下げてゆきたいと考えている。



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