香港発展パート１（新空港線） 小松和夫
以前のことになりますが、3月16日、香港政府より、2011年までに21の地区の開発又は再開発計画、12の鉄道路線計画、29の道路／トンネル／架橋計画が発表されました。また、4月27日には、中国広東省政府より、2016年までの、珠江三角州を中心に香港、マカオまでもリンクする総合国土開発計画（新鉄道及び高速道路の敷設）が発表されました。いずれも財政的に考えて途方もない内容で、どこまで実現可能かわかりませんが、しかし、今一つ言えるのは、香港の中国返還に伴う象徴的建設物として香港の新空港及び新空港線（高速道路／鉄道）の成功が引き金になっていることは事実かと思われます。 そこで、今回は、この新空港及び新空港線（高速道路／鉄道）を写真を中心にリポートしてみたいと思います。 新空港線（高速道路／鉄道） 
香港最大のランタオ島の北西、CHEEK LAP KOK島（新空港）からランタオ島、馬湾島、青衣島（以上、北ランタオ高速道路）を経て、九龍、西九龍、香港島の上環（以上、西九龍高速道路）までを結ぶ、およそ50Km弱の高速道路と鉄道（新空港から香港のセントラルまで）です。車と電車は、ランタオリンク（青馬大橋）を除けば、平行に走る訳ではありませんが、いずれにしても、30分から40分でこの間を結ぶことになるでしょう。高速道路の完全開通は、1998年4月まで（十分可能）に、高速鉄道は、1998年6月ごろを予定しております。景色がよいので期待出来ると思います。
香港新国際空港 
1992年より、CHEEK LAP KOK島を切り崩し、埋め立て、造成し、1,248ヘクタール
の新空港島を造りました。
開港は、1998年4月を予定しています。主な特徴は次の通りです。
ランタオリンク 
ランタオリンクは、青馬大橋、馬湾陸橋、汲水門橋からなります。全長およそ3,000m弱で、青衣島から馬湾島を経由してランタオ島まで結んでおり、完成まで５年の年月を費やしました。見所はなんと言っても青馬大橋で現在日本の明石海峡大橋に続き世界第２の長さです。但し、橋げたの間の距離は世界一の大型吊り橋だそうです。このランタオリンクだけは、高速道路と鉄道が平行して走ります。（上が道路、下が鉄道） 開発は、５月21日ですが、完成記念式典が４月21日に行われました。サッチャー前首相も出席しての大変盛大な式典でした。写真は、この時の花火大会の模様も示しております。また、５月４日には、このランタオリンクを利用して記念マラソン大会も開催されました。
西九龍新開発区 
九龍半島の西に位置する埋立地です。334haの広さです。９万１千人の住宅、商業、港湾、コンテナーヤード、政府関係施設等を中心に、現在、開発中です。完成は、2002年の予定です。また、既に開通した新空港行き高速道路のウェスタン・ハーバー・トンネルの一方の出口でもあり、ごく近い将来ランタオリンクまで伸びることでしょう。また、新空港行き高速鉄道も当然このエリアを通過しますし、駅が出来る予定です。2003年には、屯門、元朗及び深セン市とを結ぶ"WESTERN CORRIDOR RAIWAY"（今のKCRが東廻りに対して、これは西廻りになる）の始発駅となります。また、現T．S．T駅とは、2006年に接続される予定です。
ウエスタン・ハーバー・トンネル 
４月30日に開通した香港で３番目の自動車専用海底トンネルです。写真は、上環（香港島でセントラルの横）からの入り口を示しています。ここが、新空港線の出発駅となる訳です。政府は、隣のハーバートンネルの渋滞緩和から、この早い段階で開通に踏み切った訳ですが、料金がハーバートンネルの２倍以上と高いこと、また、西九龍サイドの道路網がまだ未整備のこともあって、まだあまり人気がありません。
新空港高速鉄道線始発駅 
写真は、香港島セントラル（中環）にあるイクスチェンジ・スクウェア・ビルディング（日本領事館の入っているビル）を海側から示しています。建設中の建物が駅ビルとなる訳ですが、あまり進歩情報が聴えてきません。まずは、無言で期待することにしましょう。
また、このエリア（100ha）からは、セントラル・ワンチャイ・バイパス（高速道路：2004年）、北香港鉄道（鉄道：2006年）、グリーン・アイランド・リンク（高速道路／鉄道：2011年：香港島の西にあるグリーン島を経由して直接ランタオ島と結ぶ）等の計画があります。 |
