急増!!容疑者は20代の男
伊藤聡子

 世の中お盆休みでもスーパーモーニングは休まない。 休まないどころか、わけのわからない事件づづきでスタッフ総勢で フル活動の取材をしている。

 わけのわからない事件・・・本当にそうとしか言いようがない。 しかも容疑者はほとんんど20代の無職の男。 奈良県月ヶ瀬村・浦久保充代さん殺人事件の丘崎誠人容疑者(25)、 浜松ピアノ講師惨殺事件の大澄隆史容疑者(23)、福岡・古川真衣ちゃん殺人事件の 瀬口健一容疑者(24)、自転車通り魔事件の杉田雄二容疑者(20)。

 共通して 言えるのは、まず動機が極めて短絡的であること。「いたずらしようと思ったが 騒がれた」、「借金があってムシャクシャした」など行きあたりばったりの 犯行なのだ。にもかかわらず、その殺し方は残忍極まりない。車でひいた上に 石で頭を殴る(奈良)、包丁で100ヶ所もメッタ刺しにする(浜松)、 浴槽に顔を沈めて窒息死させる(福岡)、コンクリート、石などを顔面に ぶつけて笑いながら走る(自転車通り魔)など、なぜここまで冷淡になれるのか 首をかしげてしまう。すべて自分本位で相手のいたみなど一切感じていない。

 さらに驚くのは、あまりにもすぐばれるような稚拙な犯罪である上に、こうしたら 相手がどうなるのかということを考える分別がない。一体どうなってしまって いるのか。

 この事件に限らず、最近の若者の間で「アイツはキレやすい」という会話を 耳にすることが多いように、考えない、感じない、気分で生きる若者は確実に 増えているのではないだろうか。だとしたら、人事ではすまされない。 人と人とのつながりが希薄になる中で、これらの連続する事件は、明らかに 私達に警鐘をならしているのではないだろうか。