闘いとショーの狭間で〜衛星放送時代の主役は誰か？ 〜

転換期を迎えるプロレス業界　第４回
マードック氏と中国マーケットの開拓へ


　デジタル衛星放送のなかでも「ＪスカイＢ」はメディア王のマードック氏、ソニー 、ソフトバンク、フジテレビが資本参加する大規模なもの。猪木はこれに目を付けた 。「地上波と同じことをやっていたら絶対に失敗する」を鉄則とする衛星放送。彼ら も猪木が推進する 小川直也を中心にした“強いものがさらに強いものを追い求める ”という格闘技路線には興味を示した。受信料を払ってまでも見てくれるマニア層の 獲得が見込まれるからだ。

「ＪスカイＢ」とはまだ話し合いの段階のようだが猪木は その試験放送に合わせて9月に北朝鮮での平壌大会を企画するとともに、中国マーケ ット進出をもくろむマードック氏と連動するかのように中国スポーツ省とのパイプを 使い北京でのイベントを進めている。ただし 猪木はテレビ朝日との契約で衛星放送 の画面に大々的に登場することはできない。新日本所属となると自動的にテレビ朝日 との専属契約になってしまうからだ。そのため現在猪木は新日本プロレスと小川直也 を契約させていないという。

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