MMBC特派員が現地台北よりリポート! 第1回

(台北上田耕司特派員)


 7月1日の香港返還を受け、台湾政府は3日、台北市内で共同記者会見を行った。 会見には37ヶ国250人の外国人記者、それに台湾国内から記者150人が集まった。 総勢400人もの記者が集まったのは、「李登輝総統の”総統就任式”以来だ」(行政院新聞局)という。
午後2時からの「共同記者会見」では、章孝厳(外務大臣)、王志剛(通産大臣)、 張京育(大陸委員会主任委員)、李大維(新聞局長)らが出席。 そのあと、台北迎賓館にて、李統輝総統、連戦副総統主催の「ティーパーティー(茶 話会)」が催された。日本の報道陣は、「日本から参加したグループ」と、「香港、 マレーシアなどの新聞社支局から参加したグループ」に大別することができた。 会見では、「一国二制度」による平和統一を主張した、中国の江沢民国家首席の路線 を批判した。

「台湾は一国二政府を主張している。仮に、一国二制度になった場合、北京が中央政 府で、台湾は地方政府にされてしまい、北京の言いなりにさせられる恐れがあるから です。」(現地の日本人ジャーナリスト) そのため、最近の台湾政府は、香港とは違う人だということを世界にアピールし続けている。「最近の台湾政府は、『漢光13号』という最新鋭の兵器を配備した軍事演習を行ったり、憲法改正を実施したり、香港にはできなかったことをたてつづけに行うことで、香港との違いを鮮明にアピールしようとやっきになっている」(同)という。李総統はこう繰り返す。

「中国大陸が自由国家になって、国民の所得も増えたときに、両方がテーブルにつき ましょう。それまでは難しい。」 しかし、台湾国内では、こうした政府の路線に反対する動きも根強い。 「ティーパーティー」の会場となった台北迎賓館の正門ではデモ隊が押しかけ、横断 幕を持って、シュプレヒコールを行っていた。 彼等は、「台湾は一つ、中国は一つ」と横断幕に書き、「両国が一国になる必要はど こにもない」と主張。台湾政府の「一国二政府」路線を厳しく批判していた。


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