台湾誘拐ビジネス第1回

 故梶原一騎氏と、台湾スター パイ・ピンピンさんの愛娘・シャオシェンさんの誘拐殺人事件は、台湾社会の闇を浮き彫りにした。
 台湾では誘拐がブームになっている。
 台湾のある人気女性歌手は、日本マスコミの「街なかで撮影させて」という申し出に、「誘拐を警戒しているので、街中には出ないことにしている」ときっぱりと断わった。いまや、有名人は相当警戒しないといけない風潮になっているのだ。
では日本人観光客は大丈夫なのか。台北の街を歩く限りでは、見た目、危険は感じないのだが・・・・・・。

 通訳はこう言った。「いえ日本人は注意が必要です。深夜のタクシーはやめたほうがいい。日本人だとわかると、どこかに連れ去られるかもしれない」
通訳が言ったのもまんざら根拠のないことではない。
 台湾で公になっている「誘拐」件数は昨年百四十九件。一昨年は百件弱だったので、約五十件も増加した。急増しているのだ。 台湾の警察に通報せず、犯人側と被害者側でこっそり手打ちしたケースも含めると、相当な件数にのぼるとみられる。

中国本土でも「誘拐ビジネス」はブームになっており、中国、香港、台湾を結ぶ黒い闇組織が暗躍しているとも言われている。



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