title2.gif (23k)



36話 「テイー・ポットの中のラブ・バード」

ニュー・イングランド通信

000216-1.jpg (13k) 現在のアメリカは「人種のるつぼ」と共に「文化のるつぼ」でもあるのですが、建国 当時はイギリスの影響が強かった筈。所が「ボストン茶隊事件」の影響か?アメリカ人はあまり紅茶を飲みません。
一般的にはコーヒー党です。アメリカに住んでいても、私は数少ないイギリス式のテイー・ハウスに行って、一人一人の違った柄のテイー・ポットとカップを楽しみながら、本格的イギリス・テイーを飲むのが好きです。ある日、友人と一緒にテイー・ハウスで紅茶を飲んでいると、「あら、貴女のテイー・ポット、"ラブ・バード"ね」 と言うのです。年期の入ったブルー&ホワイトのテイー・ポットには中国の景色を思 わせる図柄が描かれています。彼女がお祖母さんから聞いたと言うロマンチックな「ラブ・バード」のストーリーを、皆さんにもご紹介しましょう。

白地に青で描かれているのは中国を思わせる宮廷の様な建物と庭、庭には様々な木々 、沖には船が停泊していて、桟橋に向かって橋が架かっています。その橋の上には3人の人が描かれ、その中の一人は鉄砲を持っています。そして、空には二羽の鳥が飛んでいます。彼女曰く「これはお姫様と庭師の恋物語なの。この宮廷にお姫様は住んでいて、庭師を好きになるんだけれど、父親が反対して二人が会う事を禁止するのね。そこで二人は駆け落ちをする計画を立てるの。庭師はお姫様に『桜の木に林檎がなったら 駆け落ちをするサインだから』って告げるの。 勿論、桜の木に林檎がなる訳はないんだから 庭師がひとつひとつ丁寧に桜の枝に林檎をくくり付けるのよ。
page 1 2
次へ


| 最新コラム| ギャラリー| プロフィール | バックナンバー |