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58話  「国勢調査」

ニュー・イングランド通信

000721-1.gif (5k) アメリカでは、今年2000年に10年に一度の「国勢調査」が行われています。国 勢調査に使われる言葉は、アメリカですから当然、英語です。しかし、それに加えて、アメリカにはスペイン語を話す人が多いので、スペイン語も使用されていました。所が、今年から英語、スペイン語に加え、中国語、韓国語、タガログ語、ベトナム語が採用されました。これは、何と言ってもアジア系の移民の数が増えた事を物語っているのでしょう。

私は日本で国勢調査が行なわれる場合の回収率など、全く考えた事もありませんでし た。当然、全員が用紙に記入するとばかり思ったからです。所が、アメリカでは、この回収率がメチャクチャ悪いのです。どうしてか?と言えば、アメリカが移民の国だからでしょう。「イリーガル・エイリアン」と呼ばれる不法滞在をしている外国人は、国勢調査の用紙に記入すれば、自分が不法滞在をしている事がアメリカ政府にバレて、強制送還される可能性があると思い、国勢調査に協力しないのです。しかし、それでは国勢調査の意味がありません。出来るだけ正しい調査結果を得たいと考えるアメリカ政府は、この事態を改善する対策として、大勢の調査員を雇い、国勢調査の返事を出さなかった住所、一軒一軒を個別訪問させて、口頭で質問をし、調査の回収率を良くしようとして莫大なお金(税金)を費やしています。
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