117話 「おもてなしのシンボルはパイナップル」
ニュー・イングランド通信
アメリカでは、パイナップルをモチーフにした食器、家具、カード、クッションなど
が沢山あります。なぜだと思いますか?これには、面白いエピソードが隠されている
のです。
歴史はかなりさかのぼって、アメリカ合衆国独立の前。それは植民地時代の事です。
ニュー・イングランド地方に住むキャプテンが船でカリブ海に出掛け、たくさんの土
産物を持って、無事に戻ってきました。お土産は、暖かい地方でしか取れない珍しい
フルーツの数々、料理に使う珍しいスパイス等。そして、キャプテンの体験した珍し
い「土産話」。全てが珍しい物ばかりで、周りの人達はウズウズしていました。そこ
で、南方から持ち帰ったパイナップルを家の外にかざし「無事に戻った」ことを告げ
る印にし、それと同時に「その家に招待する」事を告げる印としたのです。つまり、
パイナップルは「ウエルカム」の印。「どうぞ、我が家にお越しください。お土産の
珍しい食べ物と、面白い土産話がありますよ。」というサインになったのです。こう
して、キャプテンは村の人達と一緒に、南方の食べ物と様々な珍しいストーリーを分
かち合ったのだそうです。
|