119話 「アメリカのFUTONとは?」
ニュー・イングランド通信
日本語が外国語に取り入れられた例は沢山あります。例えば、豆腐、寿司、相撲、津
波、カラオケなど等。これらは、アメリカでも全て日本語の示すものと全く同じ物で
す。所が、「布団」だけはどうも言葉と実物が一致していません。アメリカの家具屋
さんには「フトン・ベッド」と呼ばれる物が売られていますが、一体どんな物なんで
しょう?
元々、「日本の布団」のアイデアは、狭い家の中を効率良く活用する為に、同じ畳の
部屋が、布団を敷いて夜はベッド・ルームになり、朝は布団を畳んで押し入れに仕舞
い、座卓を出してダイニング・ルームになり、昼間は居間として使う、という事で、
アメリカに紹介されたようです。狭いスペースを上手に使う。これは、子供部屋やワ
ンルームのアパートに住んでいる学生や若いサラリーマンなどにピッタリ。しかし、
日本の布団をそのまま輸入しても、畳がないので上手く行きません。そこで、ベンチ
のように木の枠で出来たソファーベッドを用意し、その上にスプリング・コイルの
入っていない薄いマットレスを敷きます。夜はソファーベッドを広げてベッドとして
使い、昼間は背中を起こしてソファーとして使う様にアレンジしました。これなら、
アメリカの木の床やカーペットの床の部屋でも使えます。これが、アメリカのFUTON
です。日本語では、布団と一言で言っても、敷布団と掛け布団に分かれていますが、
家具屋さんでは、ソファーベッドの枠組みと敷布団に当たる薄いマットレスしか売っ
ていませんので、ご注意下さい。
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