121話 「カタカナ英語」
ニュー・イングランド通信
日本人は英語の発音の中で、RとLの区別、THの発音などが特に苦手と言われてい
ます。これは母国語に無い音だから聞き分けにくいのですが、人間は聞こえない音を
真似て再生することが難しいようです。つまり、外国語の音を聞き分ける事が、上手
に発音する鍵に成っていると言うことです。
ここでちょっと面白い調査結果をご紹介しましょう。以前、新聞で読んだ記事です
が、これは米国シアトル大学と東大、東京学芸大の共同実験だそうです。赤ちゃんを
集め、「R」の音をル、ル、ルと一定時間出した後、突然「L」の音を出し、それに
気づいた赤ちゃんがオモチャを見ると、オモチャが動き始める、という装置を作っ
て、日米の赤ちゃんの「R」と「L」の聞き分け能力をテストしました。生後6−
8ヶ月までは、日本人の赤ちゃんの方がアメリカ人の赤ちゃんより、聞き分け能力は
上だったそうですが、生後10−12ヶ月になると、日本人の赤ちゃんの聞き
分け能力が低下していったと言うことです。つまり、日本人の赤ちゃんは、普段耳に
している母国語に無い音は聞き分けする能力を捨ててしまう、と言うことが分かりま
した。
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