130話 「ジンジャー・ブレッド・ハウス」
ニュー・イングランド通信
クリスマスが近づくと、各家庭ではクリスマス用のクッキーが焼かれます。
クリスマスにちなんで、サンタ、靴下、 トナカイなどの形のクッキーも
多いのですが、クリスマス独特のクッキーといえば、「ジンジャー・
ブレッド」です。これは、クッキーのタネに、モラセスという黒蜜を入れ、
ショウガ、シナモン、クローブなどのスパイスをきかせた物で、
こげ茶色のクッキーです。
サンタクロースの起源は、ヨーロッパで祝われている「セント・ニコラス」
だと言われています。12/5の夜には、セント・ニコラスがブラック・ピーター
という黒人のお伴を連れて、子供達の所にやって来て、良い子には
プレゼントを下さり、悪い子にはお仕置きをするという言い伝えがあります。
ジンジャー・ブレッド・マンと呼ばれる人の形をしたこげ茶色のクッキーを
見ると、私は何故かこのブラック・ピーターを思い出してしまいます。
ブラック・ピーターは男の子。でも、アメリカでは、ジンジャー・ブレッドの
クッキーは、男の子と女の子と両方の形を作り、更には、ジンジャー・
ブレッド・ハウスと呼ばれるお家を作るのが伝統的です。この時期には、
女性雑誌にジンジャー・ブレッド・ハウスの型紙が出ていたり、家の形の
焼き型を売っていたりして、手作りの温かさが伝わってくる時期です。
子供がいる家庭では、お母さんが焼いたジンジャー・ブレッド・ハウスを
子供達がジェリービーンズなどで飾り付けをする楽しい光景が見られます。
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