133話 「クリスマスのイルミネーション」
ニュー・イングランド通信
クリスマスの飾り付けには様々な物がありますが、夜のイルミネーションの
素晴らしさは、また格別です。「12月はどの家庭でも電気代が跳ね上がる」
というのは当り前の事で、それは家の中だけでなく、庭の木々につけた
イルミネーションの為だといわれます。しかし、今回ご紹介するのは、
ぐっとロマンチックにキャンドルのイルミネーションのお話です。
コネチカット州ウッドベリーの町では、町の行事としてタウンホールが
材料を支給し、12月24日の夜に、全戸の家庭、商店にキャンドルの
イルミネーションが施されます。材料は実に簡単。茶色の紙袋と砂とキャンド
ル。
この3つがあれば、誰にでも簡単に出来ます。買い物をした時に入れてくれる
何の変哲も無い茶色の紙袋を広げ、この中に砂を少し入れます。
その砂にキャンドルを差し込んで、キャンドル・スタンドの代わりです。
風ですぐに消えてしまう筈のキャンドルは、紙袋のお蔭で風をよけることが
出来ますから、いつまでもその灯火は消えません。この袋のキャンドルが、
全戸の家庭、商店の入り口から道路までの階段やドライブ・ウエーに
並んでいると、それはそれは実に見事な風景で、電気がチカチカする
クリスマスのイルミネーションが、何だかとてもちっぽけに思えてくる位、神聖な気分にさせてくれます。
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