134話 「アメリカの帰省」
ニュー・イングランド通信
"I'll be home for Christmas…………"
という歌詞で始まるクリスマス・ソングがあるのをご存知でしょうか?
アメリカ人にとってクリスマスとは、普段、遠く離れて暮らしている家族が
一緒になって祝う家族行事の一つです。日本のお正月とお盆の時期に
似た感じがします。
さて、セプテンバー・イレブン以来、空の旅の様子が一変してしまいました。
空港のセキュリテイーの厳しさは、どんどん増しているといった感じで、
国内線でも、搭乗2時間から2時間半前に空港に行くようにと言われて
います。明け方でまだ真っ暗な午前5時にはもう既に、NYのJFK空港の
ターミナルには長蛇の人の列が出来ています。アメリカは実に広い国
ですから、陸路に切り替えるといっても限界があります。どうしても
飛行機に乗らなければビジネスが成り立たない人、どうしても用事の
ある人が乗っていた飛行機も、クリスマスとなれば、帰省の乗客も
増えるでしょう。
私の最近の経験ですが、NYのJFK空港から西海岸までの国内線に
乗りました。以前はゆるやかだった機内持ち込み手荷物は、厳しく
一個に限られ、コンピューター、携帯電話などの電子機器は荷物から
出して、別にX線検査を通ります。男性はジャケットを脱ぐことは勿論、
シャツの胸のポケットに入っているボールペンまでトレーに入れて、
財布の中身まで見せる、実に入念な検査です。その検査をしている
目の前には、カーキー色に茶色や深緑など様々な色が混ざった
軍隊独特の制服にブーツを履き、ベレー帽を被り、肩から機関銃を
下げた人が二人も立って、検査状況をじっと見張っています。
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