138話 「大統領 気絶する」
ニュー・イングランド通信
ブッシュ大統領が気絶した、というニュースは、勿論、日本にも届いていることと思います。アメリカ中が、そして世界中が一番に心配したのは、
ブッシュ大統領が最近のテロ事件、炭ソ菌事件、戦争という心労の
あまり、過労で倒れたのではないか、ということでした。ところが、
後になって、大統領はプレッツエルを召し上がって、それが喉に詰まって
しまった為に、窒息状態になり、倒れたということが分かりました。
アメリカ全土は、ほっと胸をなで下ろしたと同時に、大統領に親近感を
抱いたのではないでしょうか。大統領も普通の人と同じように
スナック菓子を召し上がるんですね。
さて、このニュースを聞いた時、私は去年のある出来事を思い出しました。
私には、今年の2月で99歳になる元気なおばあちゃまの友達がいます。
時々、彼女のお宅を訪ね、このご夫妻を車で食事に連れ出してあげる
のですが、昨年の秋に近くのインド料理のレストランに出掛けたときです。
エビカレーを注文して、彼女が一口、エビを口にした途端、エビが98歳の
おばあちゃまの喉につかえてしまったのです!幸いなことに、エビは喉を
通り越して食道でつかえてしまった為、気管はふさがれていなかったので
呼吸だけはすることが出来ました。しかし、いくら水を飲んだり、姿勢を
変えたりしても、エビは下に行ってくれません。ご主人様はパニック状態で、
かかり付けの近所のお医者様の名前も思い出せません。仕方なく、私は
アメリカの110番である「911」に電話をして、救急車に来てもらいました。
この時、私の電話の応対をした方の冷静で的確な指示と、2−3分で
到着した救急隊員に、私は脱帽でした。
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