143話　「オリンピック終わる」 ニュー・イングランド通信

ソルト・レイク・シテイーで行われた冬季オリンピックの閉会式が終わり、 平常通りの生活が戻って来たアメリカです。さて、今回のオリンピックの中で 日本の皆さんの心に一番残ったのは、どんな場面だったでしょうか？ ペアのフィギュア・スケートの金メダル問題の件が、やはり一番 印象に残ったのかもしれませんね。前例のない事でしたが、一旦判定が 下されて表彰式まで行ったのに、ジャッジの判定が訂正されたこと。 そしてその影には大勢の観客やTV視聴者の意見が大きく作用したことが 印象的でしたね。

実は、アメリカ国内ではそれ以外にオリンピック競技のTV番組放映の やり方について不満の意見が寄せられたことも興味深いことでした。 日本の皆さんは衛星生中継でオリンピックをご覧になったのでしょうが、 その時間帯はいつでしたか？米国内ではNBCが放映の権利を 独占していました。アメリカはとにかく広い国で、ご存知の通り四つの タイム・ゾーンが存在します。どの地域の人達にも平等に毎晩８時からの オリンピック特集番組を見せるために、という心遣いからでしょうか？ オリンピックの開催国であるアメリカにいながら、本当に今、その瞬間に 行われている競技の模様を「生中継」では誰も見ることが出来なかったのです。 録画された競技の模様を中心に、スタジオではインタビューを交えながら 様々な競技の模様が放映されたのですが、実は、夕方６時のニュースで 既にメダルの行方はニュースとして報道されてしまっているのですから、 結果を知っていて「ライブ」ですよといわれて見ていても、ちょっと 拍子抜けした感じがしてしまいます。