145話 「アメリカの権利主張」
ニュー・イングランド通信
アメリカは自由な国であり、個人が様々な権利を主張できる国です。
最近、このアメリカにおける権利主張について、二つの興味深い事例が
あったので、具体例を紹介させて下さい。
アメリカ空軍の女性パイロットが、軍を相手取って訴訟を起こしました。
その内容は、女性パイロットが、空軍機で他の男性パイロットと一緒に
職務でサウジアラビアに行った時に、町に出る場合、目立たないように
現地の女性と同じ黒い服を着て、黒いベールで頭や顔を隠し、
目だけを出すコスチュームを着用するように命じられたことに対し、
男性パイロットと同じように、アメリカ人らしく普通の服装をすることを
許可して欲しい、と要求したものです。「郷に入っては郷に従え」などという
ことわざもあるくらいですから、この命令は、単にサウジアラビアの
風習にのっとった服装をしなさい、という指導だったと思う人もいるでしょう。
一方、男性パイロットは普通の服装なのに、どうして女性パイロットだけが
現地のコスチューム着用を強いられるのか?不公平だ、という意見も
あるでしょう。この結末は、女性パイロットの勝ちとなり、今後、
女性パイロットはこのコスチューム着用を強いられないことになったという
報道がありました。
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