147話 「環境に優しく」
ニュー・イングランド通信
日本は桜前線のニュースが聞かれるほど、暖かくなって来た頃でしょうね。
羨ましい限りです。ニュー・イングランド地方は、まだまだ寒い日が続いて、
春の到来は日本より一ヶ月くらい遅れるのが普通です。
さて、アメリカではオイルで暖房している所が多いのですが、そのオイル
・タンクに新しい規制が加えられました。オイル暖房とは、大きなタンクに
重油を溜めておき、暖房炉でそれを燃やして家を暖め、お湯も沸す
しくみのことです。灯油のように揮発性のあるものではないので、
かなり多量のオイルを家庭で溜めておいても危険がないのは安心
なのですが、このオイルをどこに溜めて置くか?というのが問題です。
建築ブームだった1980年代後半には大きなタンクを庭の地中に埋めて、
オイルの値段が安い夏にたくさん買い込んでおくのが経済的だとされて、
この方法に人気が集まりました。これで暖房費が節約できるのだから、
素晴らしい方法なんだ、と皆が思ったようです。しかし、金属製の
オイル・タンクが地中に埋められていれば、遅かれ早かれ金属が錆びて
穴が開くことは目に見えていますよね。タンクに穴が開けば、
中のオイルが地中に漏れて地下水が汚染されてしまいます。
アメリカの郊外はほとんどが井戸水を使用しているのですから
大変なことになりかねません。
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