154話 「日本の中年男性の自殺」
ニュー・イングランド通信
日本のテレビ番組とくらべると、アメリカのテレビ番組は、刑事物、裁判物が
実に多いことに気がつきます。番組の初めには必ず「この番組に登場する
人物や事件はすべてフィクションで...」という但し書きが付きますし、
時には「事実を元にフィクションにアレンジした」という但し書きが付くことも
あります。私達視聴者は、番組を楽しみながら同時にそれぞれの事件、
殺人事件の背景にある人間関係、法廷で行われる裁判のもようと共に、
それぞれの立場からの主張を第三者として見ることができるので、
社会勉強をする良い機会でもあります。フィクションと銘打ってあるものの、
最近起きた事件を元に作ったとわかる番組が多いので、「もしかしたら
本当にこんなことがあるかもしれない」という実感を視聴者に与えるテクニック
は実に上手いものです。
つい先日私が見た番組は、解剖医が死体を検査して事件の謎を
解き明かしていくというストーリーでした。メインのストーリーは、勿論、
アメリカ人の死体だったのですが、その中にサイド・ストーリー的に
日本人のビジネスマンがホテルで死亡したという部分が出てきました。
ホテル側は事故ではなく自殺だと主張して、解剖を申し出たという設定です。
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