第２５話 「セント・パトリックス・デー」
アメリカは「人種のるつぼ」と言われていますから、世界各国の移民が祝うお祭りは何でも引き受けて、皆で祝っています。３月１７日はアイルランドのお祭りの「セント・パトリックス・デー」です。NYを訪れた人は必ず「セント・パトリックス教会」を見学する事でしょうから、この名前を聞いた事があるでしょう。
この日は、このセント・パトリックス教会があるマンハッタンの５番街で、盛大なパレードが繰り広げられます。勿論、アメリカの他の大都市でも様々なパレードやお祝いが催されますから、アメリカ在住のアイルランド人が多い事を痛感します。
緑色はアイルランドのシンボル色と言う事で、この日ばかりは国籍を超えて皆が緑色の何かを身に付けて会社に出掛けたり、アイルランドの典型的な料理である「コーンビーフとキャベツ」の料理を夕飯に食べると言う徹底ぶりです。この日はどこを見回しても緑色一色。クッキーもビールもコーヒーに入れるお砂糖も緑色、そして何とシカゴでは川の水までも緑色に染めてしまうほどの熱狂ぶりです。我が家は３代目の生っ粋のアイルランド人。私達が結婚する時に、私の名前の「緑」の意味を聞いた時には主人の家族が大喜びをして、「日本人と言えども名前が緑ならアイルランド人に成ったも同じ事だ」と言って、私を大歓迎してくれたのです。
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