43回「チャーリー・ブラウン物語、もう一つのアメリカーナ」
プレーボール! ミネソタツインズのシーズンが始まりました。ミネアポリスのメト
ロドームで、今年最初のボールを投げたのは、なんとチャーリー・ブラウン。チャー
リーは、ボールをたくさんの大衆の前で投げることができ、マウントで小躍りして大
はしゃぎ。ミネソタ出身の漫画家チャールズ・シュルツさんを偲んでのイベントにツ
インズファンも大喜びでした。
5月になると、メモリアルホリデーの週末に、全米の新聞やテレビでチャーリーが甦
るとか。シンディケートで75か国の国々に20か国語以上の言語で掲載されていた
漫画「ピーナッツ」は、米国漫画史上最高の連載漫画だっただけあって、まだまだ、
人々の心から消えることはありません。
アメリカ大衆文化を作り出したシュルツさん。ミネソタを舞台にした「ピーナッツ」
は、彼の半世紀を写し出しています。いつもチャーリー・ブラウンが思いをよせる、
赤毛色の髪の少女は、実際シュルツさんの初恋の人、ドナ・ジョンソンさんがモデル
になっていました。
ミネアポリスに住むジョンソンさんは、シュルツさんのプロポーズを断わって、ウォ
ルドさんという消防扶と結婚。ドナさんは、「お金を儲けないシュルツさんと結婚し
たら、生活に困るだろう」と母親に言われ、結婚を断念するように説得されたそうで
す。「初恋の人を忘れるのは無理だ」とシュルツさんは、ミネソタに来たとき、イン
タビューで答えていました。全く、ホントに、子ども漫画家シュルツさんは、万年青
年だったということでしょう....
ニガイ青春の経験だけでなく、楽しい思い出も「ピーナッツ」には残されています。
ミネアポリスのアートスクールでいっしょに勉強した、フリーダ・リッチさんや、少
年院の係員になった、なんとチャーリ・ブラウンさん。そして、死ぬまで友だちだっ
た、ライナス・モーラーさん。ピーナッツに出てくるキャラクターたちの名前は、全
部実際の人物の名前でした。
こんなに友だちがいたミネソタを、シュルツさんはどうして去っていってしまったの
でしょうか....実は....
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