第９話「冬にしか言えないグチ話」
ミネソタに初雪が降りました。例年より２、３週間遅れで冬の到来です。日曜日の朝、窓のカーテンを開けてみると、まわりはすっかり雪景色。うれしいことに、気温はまだたったの摂氏０度です。例年のごとく、これくらいの季節に日本人から聞かれる質問は、「冬はどれくらい寒くなりますか。」その受け答えは、いつも意地悪っぽく「そうですね。摂氏零下２、３０度ぐらいかな。」相変わらず、また真実を言って、有難迷惑をかけています。
つい先日お会いした名古屋テレビのレポーターさんは、９月にここに着いたばかりで、本当にこの寒さにショックを受けていました。まるで、私の十数年前みたい。「僕は考えが甘かった。しまった。カリフォルニアかニューヨークへ行けばよかった」と後悔が絶えません。
フルブライト留学生としてミネソタ大学に来ていますが、来た理由がなんか私とよく似ていて、「知り合いがミネソタ大学卒業だったこと」と、「日本人がよく行く東海岸や西海岸へどうしてわざわざ行かなければいけないのか。ユニークな経験をしてみたい。」このミネソタの冬を経験した今、後者の理由がやはり甘かったというのが彼の正直な気持ちだそうです。
「別に日本人を嫌って避けていたわけではないんですけどね。フルブライトの学生なので、留学先を変えれないのが残念です。」と彼。とにかく寒いからどこにも行けなくて、せっかくの大切な留学期間を無駄にしてしまうと彼は残念がっています。
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