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第20話「アメリカの高校中退者事情」

 授業を受ければ授業料を払わなければいけないのが普通ですが、授業を受けてお金を払ってもらえる場合もアメリカにはあります。社会変革を願うなら投資は不可欠。同じ人たちが教育をつけていては世の中は変わらないから、アメリカはあの手この手で教育の平等権を与えれるチャンスを作っているのでしょう。
 先ごろ、日本も高校中退者の数が増えてきたということを、NHKニュースを見て知りました。日本という土地柄、中退者たちの経済状態が似通っているせいか、卒業資格試験の準備校が個人事業として行なわれているのが、いかにも日本的というか、アメリカとちょっと違って印象的でした。

 私が以前アルバイト教師をしていたネイティブアメリカンのアフタースクールでは、高校資格試験に受かるまで勉強の時間手当が国や州から援助されるというシステムを受けつぎ、貧困や差別、また複雑な社会問題を背負った高校中退者たちに至れり尽せりのサービスぶり。「お金がもらえるなら、やり通したい」という気にさせるやり方、意外や女性に受けてました。男性にはあまり人気がなく、ネイティブアメリカンの先生は、道でウロウロしている彼らこそここにもっと来てくれたらいいのに、と嘆いていたのを思い出します。  
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