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第23話「知識を役立たせる学問とは」

 日本と同様に、アメリカでも教育改革は誰もが注目する話題のひとつ。ミネソタでは、最近プロファイル・オブ・ラーニング(学習のアウトライン)という教育用語が新聞の一面記事として頻繁に取り上げられています。「ベーシックなことばかり学んでいても役に立たない。もっと社会に通じた実のある学問を」という目的ででき上がったこの新語。方法論や具体案にまつわる問題をめぐってまだまだ論議は続く模様。
 「ペーパーワークが多くなってしまう」とか、「そんなことをやっている日数がない 」「評価が難しい」などと不満を訴える先生たち。そして「一体全体どうやって手助 けをしたらいいのかわからない」という戸惑い気味の親たちもいれば、「学問の内容 を非キリスト教的にする恐れがある」と右翼の政治家たちなども口出しし始めたりし て、コメントは様々。

 ミネソタは、先日のハートランドレポートで報告したように、スタンダード試験を設け、義務教育といえども、日数だけではなく、学力重視をめざし始めたばかり。基礎知識を備えさせた後は、学問を応用して考える力をつけさせようと、さらにミネソタ政府はプロファイル・オブ・ラーニングも要求してきたから、動揺している人がいても無理はありません。  
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