32回「ポケモンで自由をゲット」
日本もアメリカも結局子どもは同じです。こちらでも今、ポケットモンスターが大や
はり。英語訳がちょっとタフだったり、おにぎりがドーナッツと訳されたり、テーマ
ソングが違ったりしていますが、内容はオリジナル通り。お馴染みのポケットモンス
ターのカード集めもブームを呼び、150枚ぐらい集めている子どもたちもいます。
先日NHKを見ていたら、京都大学の教育心理学者が日本のポケットモンスターブーム
にコメントをつけていました。「ポケットモンスターには、子どもたちが見つけたい
人生の目的があります。子どもたちは今何かを失い、意義あるものを自分たちで見つ
けたがっている。ポケットモンスターはその夢を実現させてくれているのでしょう。」
なるほどと思いました。親にあれやれ、これやれと言われてやらざるをえない状態に
落ち入れられるのは、日米いっしょ。日本は塾通い。ミネソタは、小学校一年生で能
力編成をしている義務教育システム。子どもの自由は一体どこへ。ポケモンといっし
ょに夢をゲットしたい気持ちは日米両国でつのるばかりです。
幼稚園の卒園と同時に能力編成....すごいと思いませんか。アメリカの狂育ブー
ムもとうとうここまで来てしまったようです。1980年代に日本などの先進諸国か
ら数学などのスコアで遅れをとり、負けず嫌いのアメリカは過去10年以上教育の鬼
になってきました。ここセントポールでは、「優等生の学校」と名付けられた学校ま
で建設され、そこへ入れたい親は、子どもに幼稚園の卒園時か、小学校3年生の時点
でテストを受けさせるという具合。義務教育だったら、みんなにテストを受けさせれ
ばいいのに、行かせたい家庭だけだそうです。
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