34回「逃亡者は有能なキャリアウーマンだった」
ある日突然、自分が犯罪者と結婚していたことを知らされたら、あなたはどうします
か。それも、何も知らずに20年近くも結婚して、子どもがすでに3人もいたら。
2週間前に、世にも不思議な犯罪ニュースがセントポールからアメリカ全国に流れま
した。逃亡者の名前はキャサリーン・ソライヤ。偽名は、スカンジナビア系が多いミ
ネソタ風で、セーラ・ジェーン・オールソン。1970年代にできた自由軍(リベレ
ーション・アーミー)という武装グループのメンバーです。セントポールのひっそり
とたたづんだ住宅地域で逮捕され、お医者さんのご主人も3人の娘たちもびっくり。
私自身にとっても、今住んでいるご近所の話しなので、ドキッとするようなニュース
です。
当時、自由軍はカリフォルニアで、アメリカの出版王ハースト家の娘を誘拐して軍に
引き込み、様々な事件を起こしました。銀行強盗、パトカーを爆撃。死者も出ていま
す。目的は、日本の赤軍派に似て、貧民を助けるためにブルジョワ階級と戦うこと。
犯罪を犯すハメとなったハースト家の娘が逮捕されたのを覚えている日本人もいるか
もしれませんね。ほとんどのメンバーは射殺されたり、逮捕されたりしたわけですが
、ソライヤと彼女のボーイフレンドは逃亡に成功しました。
どうやって、ソライヤを見つけたのか。10年前に始まった人気テレビ番組「アメリ
カで一番指名手配されている人たち」で、つい最近自由軍事件の25周年記念スペシ
ャルショーが放送され、ソライヤとボーイフレンドの顔写真がくっきり画面に出たの
が、そもそも逮捕のきっかけになりました。
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