素顔のアニエスベー 第6回

 日本で「アニエスb」と言えば、フレンチカジュアルブームの火付け役として、フ ァッション業界では認知されている。
 若い女の子に人気の高い「アニエスb」を真似ようと、似たような商品、似たよう な売り場が、次々と生まれていった。
 それほど、日本ではこのブランドのさりげないシンプルなオシャレが、インパクト を持ったのである。

「アニエスb」のデザイナーが、ブランドそのまんまのアニエス・ベーさんだったと 知る人は少ないが、パリではデザイナーとしてだけでなく、画廊経営者として知られ ていたのである。
 素顔のアニエスさんはタバコをふかし、ワインを飲み、誰に対しても愛想が良く、 おしゃべり好きな女性だった。キャリアウーマンとしても、抜群の手腕を発揮する女 性だった。
 芸術をこよなく愛する父親の影響を受け、彼女自身も芸術家になるのが夢だった。 その夢を、ファッションデザイナーとして実現した。
 そして、デザイナーであることだけでなく、現在は、アーティストたちのパトロン でもあるのである。中世ヨーロッパの貴族の夫人がしばしば、画家のパトロンになっ たという伝統を想起させられる。
 また、二度夫と別れ、5人の子どもを育てながら仕事をしてきたたくましい女性だ った。      

(おわり)


スーパーコラム インターネットスクープ うわさのインターネット
MBホームJCCホームバックナンバー