素顔のアニエスベー 第2回

 アニエスベーはパリ郊外のベルサイユで生まれた。彼女は子供の頃、よくベルサイユ宮殿で遊んだ。宮殿の持つ、荘厳で芸術的な雰囲気が、彼女大きな影響を与えた。
 父も芸術をこよなく愛好する人で、父に連れられて、美術展などを鑑賞したという。

 17才のとき、彼女はおさな馴染みのクリスチャン.ボルコワ氏と結婚した。彼は編集者だった。
 十九歳のとき、ボルコワ氏とのあいだに双子の男の子が生まれた
 しかし、ボルコワ氏とは離婚した。
 双子を育てる生活は彼女にとって非常に大変だったらしい。子育てに追われる日々だった。スーパーやのみの市で、安い洋服を見つけてきては、自分なりに着こなしていた。生活日を稼ぐために、いろいろなことをやった。

 あっちこっちから洋服を集めてきて、センスよく着こなすというのが認められ、二十歳で雑誌「ELLE」のスタイリストになった。
 このことが後年の彼女にとって決定的な意味を持つことになった。
 ファッションデザイナーになったのは、「ELLE」の仕事をしたのがきっかけだったと彼女は後年、述懐している。
 今年四月、来日したときに『徹子の部屋』に出演した彼女はこう語った。
「わたしは稼がなければならなかった。少女時代の夢は、美術館の学芸員になることだったんです。そうでなければ、もっと芸術的な道へ行きたかったんですが、生活というものがありましたから。でも、まったく後悔していません。逆に非常に良かったと思っています。この仕事をすることにより、ほかにいろんな道が開けた。非常に豊かな面白い人生を送ったと思います。



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