My Life
「郷に入れば、郷にけっこう従っている母子」
〜NO.1〜
ディップ・イン・ザ・プール ボーカル
甲田益也子

 今、私は北海道に来ている。私のホームタウンはいつのまにか高原の町ということになっていた。そんな言い様もあるのかと笑っていたら、確かに空気が高原だったので驚いた。住んでいる時は気がつかなかった。内にいて比較するものを知らなかったからか。ただの山合いの里が高原と呼ばれると素敵な感じに変身する。あくまで聞こえだけだが。

 そして、さらに似たような表現をさせて頂くと、実家はジャンクなものであふれ、実にファンキーだった。今でこそ私はなるべく身の回りはナチュラルでなんて思っているが、育ってきた環境は化学(合成?)とともにだ。人工甘味料や着色料入りの食品は当然のこと。大量生産でできた安いものに囲まれていた。
 ガラスの砂糖入れがカッコ悪くて、早くプラスティックのに変えて欲しかった。言うまでもなく、今はできれば逆にしたい気持。自分って信用できないなあ。思っていることがすっかり変わっている。そしてその変わり様に気づかないことが多い。人に指摘されて、「とんでもない、そんなこと言うはずない。」などと憤慨する場面がままある。自分のことはさて置き、我が家にはそんな状況が変わらずあった。いや、もしかするとエスカレートしているかもしれない。訳の分からない存在がいっぱいだ。

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