「専門書の選び方」

名前:星野励 学校名: 芝浦工業大学 年齢:21歳

<始めに>

皆さん、ご存じのように専門書は非常に高いです。私の研究分野はDSP用最適化コン パイラなのですが、これらの関連書籍は最低でも5000円はします。こんな高いのに、 もしババを引いてしまったら、泣け無しのお金を叩いて買ったのに、死んでも死にきれない心地になります。そこで、私は今まで培ってきた専門書の選び方について、少し書いてみようと思います。

<専門書の選び方とは>

私が思うに、専門書の選び方というのは、ちょうど恋人を選ぶ時の心地に通ずる物が あると思います。何故なら、何時も妥協を許さないからです。この文章を読み終わる 時には、あなたもこの理論に賛同してくれることでしょう。

<本屋に行く前の準備と心構え>

それでは、本屋に行く前に、まずどうすれば良いのか? まず、本屋に行く前準備として、十分なお金を用意しましょう。決して「できるだけ安い本」を買おうと思っては行けません。なぜなら、安い本はあまり情報が出ていな いので、必ずまた新たに本を買うことになるからです。これを繰り返すぐらいならば 、いっそのこと高くて良い本を一冊持っている方がよっぽど良いからです。 また、おっくうだからといって、町の本屋で済まそうなんて考え方は最悪です。たく さんの書籍がある神保町の書泉グランデや三省堂、池袋のリブロなどに足を運ぶこと はいうまでもありません。
 そして本屋についたら、脇目をふらず、自分が欲しい分野の本がある本棚に向かいましょう。最近の本屋は本だけでなく、CDやビデオが売っているので、デパートのように誘惑が多く注意が必要ですバーゲンの時に、靴を買いに行こうと思ったのに、服を買ってしまって金 が無くなるという経験は誰もが経験していることでしょう。このような時は後で必ず 後悔することになることはいうまでもありません。買う前にお金が無くなってしまったらもともこもありません。
それでは、実際に本を選んでみましょう。

<専門書のタイトル>

さて、まず本を手にとる時の基準となるのが本のタイトルですが、これに大きな落し 穴があります。例えば、始めてなんらかのプログラミング言語を学ぶ時など、「始め ての...」とかいうタイトルの本を選びがちですが、これは 大きな間違いです。 何故ならば、これらは「初めての」を対象にして書いてあるので、その時は良いので すが、自分が「初めての」を越えた時点で、その本はもうあなたにとって存在価値が 無くなってしまうからです。更に、このような本は「初めての」を対象に、平坦に分 かり易く書かれているので、内容に厳密さがありません。時々、間違っているとしか 思えないような記述さえあります。 結局、手にとる本の基準となるのは、タイトルではなくその本の厚さです。本 の厚い順から、順々に以下に示す検証を行ってください。

<専門書外見の検証>

手に本を取りましたか?ではまず始めに序文(前書き)を読みましょう。ちゃんと構成 されている本には、目次より前に序文のような物が付いていますからこれが付いてない本はもう論外です。 、まずそれを読んで、この本はどのような読者を対象に書かれているのかを確かめま しょう。これは一番重要です。 その本が自分も対象に書かれているようならば、更に目次に進んで、自分の欲しい情 報があるかどうかを確かめます。この時、その目次が細かく断層化されているかどう かを確かめましょう。断層化されていない時は、もうその本は止めましょう。なぜな らば、目次もろくすっぽできていないような本は、たとえその内容が素晴らしくても 、あるとき、その本に載っていたある情報を見たい時に 素早く検索することが できないからです。これはちょうど「会いたい時にあなたはいない」と泣き叫ぶ恋 人達のような感じですね。これでは何の意味もないですから。 さて、次は一気に本の最後の索引に目を向けます。ここも目次と同様に、索引がしっ かり構成されているかを確かめます。本の厚さと索引の多さは必ず比例します。大体 500ページぐらいの本であれば、少なくとも10ページぐらいは索引になるはずです。 更に、索引のわけ方として、英字と日本語に関して別々に構成されているのは当然で すが、例えばOS関連の本ならばコマンドは別索引として構成されている方が望ましい
(「技術評論社 The UNIX Super Text(上)(下) 山口和紀他著」がいい例 です。この本の索引は最高です。)
ですし、また各用語に関して関連、断層化されている
(「培風館 情報処理シリーズ7 コンパイラ 土居範久訳」がいい例です 。この本の索引も良くできています。)
方が、断然検索速度が速くなります。

<専門書中身の検証>

さあ、次は中身の検証です。何だかんだいってもここは非常に重要な所です。 まず、始めのページからペラペラめくっていって、本のレイアウトが見やすいかどう かを確認しましょう。これは人それぞれ異なるので一概にはいえません。その本があ なたに取って非常に読みにくいレイアウトの時は、やめた方が無難です。レイアウト の善し悪しは、そのままその本を読む時の集中力の持続時間に比例するからです。 レイアウトの確認ができたなら、また最初のページに戻って、今度はじっくりと読ん で行きましょう。そうですね、10ページぐらい読んで、そこまで理解ができたならば 一気に跳んで50ページぐらいからまた読み進んでみましょう。そこから読み進んでい っても、なんとなく分かるような本は、非常にいい本です。別に変わらなくてもとく に問題はありません。始めの10ページを読んで容易に理解できるような本は、あなたにとって非常にいい本です。 最後に章末に目を向けましょう。ここには大体章末問題があります。その際、問題の 「 答えがあるか」を必ず確認しましょう。最近の専門書、とくに大学での講義を主 な対象に書かれているような本の場合は、章末問題の答えが載ってない時が多いです 。さらに解答欄を隅まで良く見てください。これは「解答省略」と記された解答の方 が多い本がたまにあるためです。気を抜くとババを引いてしまうことになるので、注 意が必要です footnote は解答こそ載ってないですが、アンサーブックというのが出版され ており、一寸した例外になっています。 。

<最後の検証>

最後に、値段を確認しましょう。あなたの財布に入っている金額より安ければ、その 本をとりあえずキープしておいて、次の本を検証しましょう。必ず複数の本を見比べ て、その中で一番いい本を買いましょう。

<最後に>

長々と下らないことを書いてきましたが、最後まで読んでくれた方、ありがとうござ います。この文章が少しでもあなたの専門書選びの参考になれば幸いです。


明日はお友達の鈴木彩加さんをご紹介します。



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