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〜日本人唯一のマン島T.T.チャレンジ編〜その1
〜NO.2〜

国際A級ライダー 前田淳

 何故そんな危ないレースに出場したか? それはまわりの人達が危ないからやめとけって言ったからだよね。本当にダークダックスみたいな答えだよねえ。ここぞとばかりに俺が正義だ! なんて感じで普段なんにもないのに凄く心配した振りしてさあ、君なら大丈夫だから期待してるよなんてウソでも言えないのかねー。そんな目の死んでるようなヤツから離れたかったのと、スピードが偉い国、日本じゃ全然レースなんて認知もされていないし、もうしてほしくもないけど、マン島に集まる人間は違うのよ。だって90年目ですよ! 歴史が違うよね。昔雑誌で見た雑誌からの知識なんだけど、老夫婦が二人してプログラムみながら、一人一人の順位とかタイムとかをチェックしてるのね。箱根駅伝を子供の頃から見ていて年とっても応援している、そんな感覚な訳ですよね。

日本じゃ選手の寿命も短いし、セールスポイントなんて弱冠16歳でチャンピオン! なんて年齢だけしかセールスポイントも無いからサーキットはガキばっかりだし、選手もファンも寿命が短いのが現実だよね。話はそれたけど、要するにそういう本当のモータースポーツ文化が根付いた人達の所で走りたかった、てのが本音やね。マン島で走っているバイクは日本のメーカー(ホンダ・ヤマハ・スズキ・カワサキ)のがほとんどで、スポンサーなんかもサンヨーなんて日本企業が応援してたりなんかするんだけど、全員外人なんだよね。(当り前だろ!)なんか日本人としてすっごくくやしくて、このコースで5年以内に勝ちたい! 技術は輸出しているが文化は輸出してないし日本にモータースポーツ文化は無いそんなところで日本製バイクに日本人が勝つ! あいつらにHONDAは本田! SANYOは三洋!ってのを教えたくてマン島参戦を思いついたんだけど、想像以上に苦労しましたよホント。完全プライベートで行って来たもので・・・その話はまた次に。



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