安斎肇
(イラストレーター
兼ソラミミスト)

ーその1・しりあがり寿の巻ー


 キャロル・キングに「きみの友だち(YOU`VE GOT A FRIEND)」という名曲がある。
70年代、もの悲しくも鼻にかかった声でジェイムス・テイラーが歌いヒットした 。ぼくはとてつもなく暗い高校生だったので、この曲が大好きだった。ラジオから流 れるたびに勉強の手を止め、耳を傾けたもんだった。ま、それでなくても手はよく止 まる方だったけど。つらい時でも君にゃ友達がいるじゃんよぉー、という歌だったと 思うが、確かじゃない。なにしろ手と一緒に頭も良く止まってたから。

 友達ってぇのはなかなか難しくって 、なかなか「おまえ、おれのともだちじゃん」なんて面と向かっていえないもんでご ぢゃる。どこからどこまでどうともだちの線を引くかってぇのはやっぱり難しい。
 昨年、ぼくはお芝居をやるべく3人で劇団をつくった。漫画家でイラストレーター の座長なんきん画伯としりあがり寿先生とである。すげぇすげぇ友達だった訳でも なくケッコー知り合い程度のちょっとともだちから急速に劇団へと結びついたのであ ーる。毎日のようにお芝居のことを考えているし、電話したり、会ったりもするので 、すげぇともだちへの道をズンドコ進んでいる気がする。
写真左がしりあがり寿氏、右は演出を手伝ってくれているロマンチカの林巻子さん。 (撮影、安斎肇)

 それでも遠慮だ気遣いだのしてガツンとすげぇ友達になれないでもいる。ま、大人 だし、これでいいのかもと思いつつ。だんだん公演日も迫ってきて、この頃は言い たいことの半分くらいは言い合えるようにもなってきた。もっとグチャグチャのドロ ドロになってくかもしれないし、楽しみだなぁ。この劇団NASの「シェーン他2本」 は下北沢スズナリで、7月20日より27日までやります。ぼくらの友情がどーなっ てるか確かめにきて下さい。



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