ーその2・なんきん画伯の巻ー
「電話したのになァ」とつぶやくしり先生。ロマンスカーはあと5分程で出発であります。「もう一回ケータイに 電話してきます」しり先生、公衆電話に走りました。座長は「ごめんごめん、今タクシーなんですよォ、追っかけますので先行って下さい。どもども」と言ってたそうで、僕ら、ふたり、ハネムーン気分でロマンスカーしたですよ。先に。 僕も相当仕事は遅いです、締め切り、よォく遅れます。座長もそーです、そーなんですけど、僕は始めるのが遅いはじめくんなンですけど、なんきん画伯は凝るのですね。すンごい凝り性なのですよォ。 ホントに僕なんかまったく脱帽くんでやんす。ホントすンごく考えちゃって毛が抜ける程、そりゃ脱毛くんでやんす、って失礼しました。ホント何も考えないで書いちゃうから。こんなんなっちゃうんですねえ、ホントすいましぇん。 話は戻って海です。なんとか電車乗り継いでやって来た座長。そのお姿ときたら、黒の皮ジャンにピッチピチの黒いレザーパンツ、頭にバンダナで編み上げのブーツ。ヘルスエンジェルスだって海に行くときゃ、もちっと涼し気な格好するでしょ。 おまけにそのまま砂にどっかり腰をおろして遠く海を見います。失恋でもしたんかァ。そんなことより暑くないンかァ。 結局座長は泳ぎもせず、流石タンクトップにはなったけど、ずっと海を見てたです。しり先生と僕は鼻たれるまでボディボードやったっつうのに、ねえ。海を見てたわッ、です。 座長はいつも何かを変えたがっています。例えば常識だったり世の中だったり ファッションだったり。それが表現する事の原動力になってるンだと思われるのであります。 なんきん画伯はただの変わった人ではなく、絵を描く革命家なのでありましょう。ともだちに革命家がいるだなんて、ちょっといい人生でしょ。座長は今日から革命家に決定しますッ。
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