Thin Clientの選択肢

 NC(Network Computer)の構想から早くも1年以上経つが、その間にTOC(Total Costof Ownership)を本気になって情報管理者、経営者が考え始めた。
 しかしながら、NCをはじめNetPCといったThin Clientのカテゴリーが増え、ユーザーの頭を悩ませている。  NetPCと従来のPCは一体どのように異なるのか理解するユーザーは少ないのが実状 のようだ。NetPCはインテル・マイクロソフト社がオラクルが提唱するNCに対抗する 、いわゆるWintel仕様のクライアントサイドコンピュータで、これまでの情報資産を 活かせることが最大の利点であり、Wintelの販売戦略にとって最大の武器でもある。 また、Windowsをベースとしたクライアント/サーバ型のWindowsターミナルというX端末の思想に近いクライアント機も出現しそうだ。

 一方、NCの最大の利点とは、基幹業務やデータベース依存の業務に適していること である。あるシステムインテグレータは「NetPCは現行の環境にうまくとけ込んでゆ くが、NCはある特定の用途で成功する」という。逆に「ほとんどの大企業で導入済み のIBM社製のサーバーにマッチングし、ゼロアドミニストレーションを実現するNCが シェアを大きく伸ばすのでは」といった意見もある。
 その背景にはベンダーの販売戦略がある。Wintelにとっては、今後も安定したシェ アの維持による製品供給、オラクルにとってはデータベースを基にした市場開拓、IB MにとってはWintelのシェア奪回の野望がある。
 ユーザーは自らの環境を見極め、いよいよ適切なシステムの選択肢が可能となった のである。ただし、見極めを謝ると、ベンダーの販売戦略に乗せられWindows95の大量導入といった、逆にTOCの上昇を招きかねない結果を十分秘めていることを警告したい。


シリコンバレーウォッチャー

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