MMBC特派員が現地台北よりリポート!

次は『台湾回収』を狙う中国    最終回
(台北上田耕司特派員)


「一国二制度」による台湾の統一を、台湾政府は拒否している。
 しかし、その一方で、台湾政府は「中国統一」を主張しているのだ。 台湾行政院新聞局発行の「中華民国、台湾早分かり」でも、「中国統一を行うことは、すべての中国人の希望です」
 とハッキリと記している。  これはどういうことかというと、単純化すれば、台湾は中国共産党が独裁するような統一を望んでいないということだ。

「『一国二制度』では、北京が中央政府、台湾は地方政府になってしまう。それでは駄目だ。そうではなくて、台湾政府は『一国政府』による平和的統一を望んでいるんです。北京と台湾が対等な政府として成り立つような統一です」(台湾在住のジャーナリスト)という。
 李登輝総統と連戦副大統領は、国家はまだ統一されていないが、統一を追及するわが国の立場は変わっていないと、繰り返して表明してきた。しかし、それは「台湾の独立を図る」ものではなかった。 「李総統は、中国大陸が自由国家になって、みなさんの所得がもっと増加したときに、両方が同じテーブルにつきましょう。果物が成熟するように統一は行われるべきじゃないかという考えなんです」
(同)
 香港が返還され、中国大陸と台湾は直接的に向き合うことになった。両岸関係は「商売は商売」と割り切って、経済交流は益々活発になっていくだろう。その一方で、軍事的な緊張は一層高まり、アジア全域に大きな影響を及ぼしそうだ。

(おわり)


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