台湾誘拐ビジネス 第3回

 台湾では昨年、李登輝総統が「マフィア一掃」を宣言。黒社会狩りキャンペーンに、本格的に乗り出した。  取り締まりが強化され、台湾マフィアも闇の仕事がやりにくくなった。また、シンジケートが分裂を繰り返し、小組織が割拠することになった。

 台湾黒社会は、1949年の将介石の国民党と同時期に中国大陸からマフィアが棲みつき、形勢されていった。  売春、賭博、クスリなどで勢力を拡張し、政治家とも癒着。金権選挙をバックアップした。癒着どころか、政治家や官僚にもマフィア関係者が多数いるとされ、社会的に問題視されている。
 暁燕さんは小指切断、肝臓破裂、頭部殴打など凶悪なものだった。
 台湾政府によるマフィア根絶キャンペーンと、マフィア内部の分裂。組織的な求心力をなくし、しのぎを失った裏社会の人間たちは、より狂暴化し、「誘拐ビジネス」にも手を染めるようになった。誘拐ブームはこうした黒社会の置かれた社会的現状の産物でもある。  



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