慶大のスラッガー
高橋由伸選手只今、本塁打記録爆走中
第2回



(写真提供共同通信社)
高橋選手のバッティングはどこが光っているのか。記者たちに質問されると、慶大野球部の後藤寿彦監督は、いつもこう答える。
「あいつは本来は長距離バッターではなく、中距離バッターなんだ」
 スカウトの評価も同じ。

「プロに入ったら、本塁打を量産するタイプの打者ではなく、どちらかと言えば、イチローのように、ヒットを量産するタイプだね」
高橋選手は、六大学野球で二十九年前の田淵幸一氏の持つリーグ本塁打記録二十二本に並んだ。田淵氏と言えば、プロに入ってもホームラン打者として活躍したが、高橋の場合は中距離バッターだというのである。

 それなのに、どうして本塁打があんなに出るのだろうか。後藤監督は記者たちにいつもこう答える。
「技術的にはバランスがいい。腰と膝をうまく使ったバッティングフォーム。それにたぐいまれな筋力が加わって破壊力を生んでいる」

 現在行われている日米大学野球でも6月22日の試合で4打数2安打を記録。米国チーム監督をして「米メジャーリーグでもドラフト選手として十分通用する」といわしめた。
 高橋選手の背番号は「10」。六大学野球では、チームのキャプテンだけが「10」をつける。



MBホームJCCホームバックナンバー