しかし、私達人間は「動物と人間の距離を考える時、どこで線を引くか?」
ということにも気をつけなければいけないようです。野生の動物達は、
自然の野山で食べ物を探し、生活しています。動物達は必要がなければ、
人家のある都会にやってくることはないはずです。ところが、可愛い
可愛いと言って、人間がエサを与えるようになると、自分達でエサを
探すというきわめて自然な能力を失って、人間の与えてくれるエサに
頼って生活をするようになってしまいます。
また、人間と動物の距離が
狭くなることは、嬉しいことである反面、危険を犯すことにもなりかねません。
熊を自宅の裏庭で飼っていた人達のTVドキュメンタリー番組を見ましたが、
本人達は充分に動物と人間の距離を考えて飼育していたのに、
隣人が勝手にエサを与え、自分の家に招き入れていたので、ある日、
ベビーベッドに寝ていた赤ちゃんに危害を加えそうになり、やむなく
銃で撃ち殺したというストーリーを報道していました。
日本でも、観光地で
野生のサルにエサをやっているうちに、サルが観光客のハンドバッグを
とったり、土産物屋さんの商品をとって食べてしまったりという事件が
起こっていますよね。これは、人間と動物との距離を上手に
保てなかった結果であり、責任は人間にあるといわれても仕方がない
ことかもしれません。ペットの場合は、買い主が責任を持って飼育するのは
勿論で、十分にケアーされていない、ないがしろにされているペットの
人権ならぬ「ペット権」を守ることも声高に叫ばれています。自然界の
動物にしろ、ペット動物にしろ、人間は深く考えて行動し、責任を
持たなければいけないのでしょう。さて、果たしてこのアメリカの
裁判の結果がどのようになるのか、日本の皆さんも注目していて下さい。
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