シリコンバレーウォッチ

シリコンバレーウォッチャー



 96年秋にパッカードベルの799ドルPCが出現した時、多くのリテールの粗利は逆ザヤであったが、リテールでのBTO方式の普及によって超安値PCでも、一定の粗利益が確保できるようにもなった。「一台20ドルの粗利でも、300人、500人という新カストマーを獲得できるようになったことの方が、リテールにもたらすメリットは大きい」と指摘するリテール経営者も多い。一方超低価格PCのシステム的アップグレードの制約を説明して、当初の購入PCのアップセリングに成功しているリテールもある。超安値PCの本体を開いて、スタンダードPCの内部構造を比較させて、いかに拡張性に乏しいかを理解させると、意外に簡単にアップセリングは成功するという多くの経験を語るストアセールスもいるのだ。あるいは「サブ1000ドルPCを買ったカストマーに、その来店時にいくつのソフトパッケージを店内で取り上げさせたかが、イニシャルマージン額を決定する」とセールスに指示しているマネジャーも多い。複数のソフトを一緒に買わせることで、売上げ額も一台1200ドル以上となり、マージンも15%はキープできると語る経営者も居る。


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