新趣向ノンフィクション
「90歳のジャズの王様、ベニー・カーター」
 第3回

 ベニー・カーターはこれまで四回来日している。何故、そんなに来日するのか。もちろん親日な人さ。だけど、ある日本人のプロモーターはこう説明してくれた。 「日本のジャズというのはほんとに音のわかるファンが少ないんだ。プレーヤーの名前で客がつく。ベニーさんも名前があるから、一夜のギャラは約二百万くらい。この額は米国の何倍にも相当する」

 つまり、来日がおいしい商売ってわけさ。
 彼はロスアンジェルスに住んでいる。七七年、三度目の結婚で一緒になったHILMA(ヒルマ)さん(七六)は、もともとは学校の先生だった。スペイン語を教えていたそうだ。
 ヒルマさんを初めてみたのは、彼女が十八歳の時だった。それから、お互い別の人と結婚し、縁がないのかのように見えたが、ちょうど、ヒルマさんの亭主が死去。ベニー氏も奥さんと別れていたので、タイミングが合ったってわけだ。
「ヒルマさんはジャズが嫌い。サイフのひもをしっかり握っている」
 と、二人を知る音楽関係者は言う。 「ベニーさんは自分のギャラを下げることは自分の価値を下げることと考えている。あのしっかり者のかみさんがいるから、やってられるんだろうね」(音楽関係者)
 ヒルマさんはグレイス・ケリーのような白人の美人だ。



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