<いよいよ8耐へ>

 そして午前11:02.27、小西選手がトップでコントロールタワーを通過、チェッカー を受ける。同時にピット内スタッフがみんな拍手。スタッフ、前田選手とも満点の笑 顔と安堵感の表情だ。スタッフがかわるがわる前田選手にかけ寄り、握手。前田選手 も、ピットを飛び出し、ビクトリーランでステップ上で立ち上がったまま両手を広げ て戻ってきたブラックバードと小西選手を出迎える。スタッフによる喜びの輪ができ 上がり、そのまま、表彰台へ。

 表彰台の真ん中、一番高い位置に前田選手、小西選手が立つ。オフィシャルアナウ ンサーのみし奈さんのアナウンスで、1位の選手だけに送られるチェッカーフラッグ が前田選手に渡される。つづいて、シャンパンファイト。この時ばかりは、つい先程 までバトルをしてきた選手たちが、表彰台のどの位置も関係ないようにはしゃぎまわる。
そして、8耐選手権参戦のプレートの贈呈。小西選手に促され、前田選手が受け取る 。そう、実は今日チームを組んだ小西選手は8耐決勝では別チーム、ヨシムラからの 出場が決まっているのだ。みし奈さんからのインタビューを受けた二人のコメントが ユニークだった。
「決勝ではFCCの778番とともにゼッケン12番のマシン(小西選手が乗るバイク)を応援 してください。」と小西選手が言い終えないうちに、前田選手が「決勝ではメインス トレートで778番(ブラックバード)が12番をブッチギリマッセ!!」と言うと、スタ ンドからドッと笑いがもれた。

<これは通過点>

ピットに戻り、パドックに出てきた前田選手と握手した。いみじくも二人同時に「予 定通り!!」と言った。そして彼は「あくまでこれは通過点ですから。」とも言った。 8耐へ出る為の通過点かとも思ったが、彼の今後の長いレース活動の通過点なんだろ うなと思った。やっぱり彼は「仕事人」だった。


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