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 メープル・シロップが取れるのは「シュガー・メープル」と呼ばれる種類のカエデです。その木の根元から1メートル位の所に、ブリキのバケツがぶら下がっている時が、シロップを集めている最中です。この作業の最盛期は2月から3月。まだ 雪が降る寒い時期ですが、シュガー・メープルの木は、春に若葉が開くまでに十分な栄養分を枝の隅々にまで行き渡らせるために、根元で作ったシロップを日中の暖かい時に、高い木の上の枝の先にドンドン送り込みます。夜になって気温が零下になると、このシロップ は又根元に戻ります。
 このシロップが行ったり来たりする時に、メープルの木に穴を開けて注ぎ口を差込み、バケツに溜めます。つまり、この温度差がシロップが太い幹の中を動く理由なのです。春になって気温の差が少なくなれば、シロップは葉先にとどまって、葉っぱに栄養が行く事となり、シロップの採取は出来なくなってしまうのです。

 日が良く当たる場所の木に取り付けられた注ぎ口からはチョロチョロと絶え間なくシロップが出ていますが、日陰の木はポタンポタン。この違いを見ていると、この気温差の原理が良く分かります。このバケツに溜まったサラサラの水のようなシロップを、毎日夕方 集めてタンクに貯蔵します。十分シロップが溜まった頃、今度は精製の作業です。私達が店で見掛ける、あの琥珀色のシロップは、40対1の割合で、このサラサラのシロップを煮詰めたものです。中にはハチミツや水飴に香りをつけてメープル・シロップと言って売っているまがい物もありますが、100%ピュアなメープル・シロップがどうして値段が高いのか、このプロセスを考えると良く分かります。
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